接触アプリ「COCOA」が使い物にならない理由?



まだダウンロードしていない。スマホの調子も悪い。あっ、これは関係ないか。得体のしれないアプリは世間の評価が出るまで避けるのが普通でしょ。COCOAの評価記事はあまり出ていないが、それは本気で使っている人はいない証拠。引用したものが初めてのもので貴重だ。

  • Exposure Notification API|ENAPI, 
  • 微弱な電波:
  • 乱数型ID(1時間更新)発信
  • スマホに周囲ID(近接者)リスト作成
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  1. 陽性者は過去2週間のID公開。
  2. 接触者は該当IDを照合し一致IDを確認して 接触を確認。⇒しかし、接触の有無だけが知らされ、接触日時、場所の確認は暗号化されていて出来ない。
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  1. 誰かが検査で陽性になって、COCOAに感染を入力すると、 接触者には通知が来る。⇒陽性でも入力しなければそれまで。また間違えて入力したら騒ぎになりそうだ。
  2. 念のためにPCR検査を受ける。(自費?公費?)
  3. 検査結果が出るまで行動注意(自主隔離?)
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  • 何だか詰まらないアプリだな。 
  • 保健所の役に立つこともなさそうだ。
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根本から間違っているプライバシー保護の考え方。

  1. 病院へ行けば、生年月日も既往症も全部筒抜け。
  2. 銀行へ行けば口座番号も教える。 
  3. 個人情報は内容によって開示先を選ぶと言うことでだ。
  4. 場所と時刻情報がIDに紐づかなければ使い物にならない。
  5. 期間は2週間では不足。抗体維持機関の3カ月は必要。日数でいうなら100日間の保持は必要。




https://diamond.jp/articles/-/246083


【実録】コロナ接触確認アプリ「COCOA」から接触通知が!見えてきた課題とは


澤田 翔
ライフ・社会 DOL特別レポート
2020.8.19 5:00




新型コロナウイルス接触通知アプリ「COCOA」は近接通信テクノロジーBluetoothを利用して濃厚接触の可能性を通知する

社会的接触による新型コロナウイルス(COVID-19)の感染疑いを早期に検出するため、世界各国でスマートフォンを用いた接触通知システムが導入されている。日本では厚生労働省がCOCOAと名付けたアプリケーションをスマートフォン(iPhone, Android)向けにリリースして広く導入を呼びかけている。COCOAを導入したスマートフォン同士で発信される微弱な電波を活用し、新型コロナウイルス感染症の陽性者と接触した可能性について通知を受けることができる。筆者はこの通知を受けてしまった。これにより実際に通知を受けてからの対応を知ることができたので、評価を含めて記事にまとめたい。(連続起業家、エンジニア、インターネットプラス研究所所長 澤田 翔)


新型コロナウイルス接触確認アプリ
「COCOA」の仕組み

 まず、COCOAの仕組みについて簡単にまとめておく。

 スマートフォンを用いた接触通知サービスは国や地方政府などの行政機関が提供しているケースが多く、国や地域によって実装や運用の方法が異なる。日本ではAppleとGoogleが共同して策定した「Exposure Notification API」(以下ENAPI) を用いて開発されている。


AppleとGoogleが公開するENAPIの概要図 (Exposure Notification Frequently Asked Questions v1.2 より引用) 拡大画像表示

 ENAPIによりスマートフォン同士が微弱な電波を発信し、自らのID を周囲のデバイスに伝える。このIDは機械的に生成された乱数であり、ENAPI以外の情報と紐付けられることはない。IDは1時間おきに変更される。周囲の スマートフォンはENAPIから発信されたIDについて距離や接触時間が一定の基準を満たすと判断されたものを保存する。こうして各自のスマートフォン内に接触者の一覧が作成される。

 新型コロナウイルスの検査で陽性と判断された患者について、自らが過去14日の間に発信していたIDを公開することができる。このID一覧と各自のスマートフォンが持つ接触者一覧を照合し、一致したものがあった場合に「接触の可能性がある」と通知される仕組みだ。

 IDには個人情報を含まないのはもちろんのこと、IDの保存や照合のプロセスはすべてスマートフォン内の暗号化された回路で実行され、利用者が一致したIDや具体的に接触のあった場所や時刻を知ることはできないようになっている。

 COCOAが用いるENAPIはプライバシーへの配慮レベルが極めて高く、位置情報や接触時刻など個人を特定できる情報は保有しないという設計になっている。


「COCOA」から
“コロナ感染者と接触した可能性”の通知が来た!


筆者のスマートフォンに表示された通知。「1週間のサマリ」通知(上)があったことではじめて気づいた。下は接触が検知されたタイミングで発行された通知だが「おやすみモード」の設定が適用されて非表示になってしまった 拡大画像表示

 8月9日(日曜日)の昼過ぎ。自宅のリビングでiPhoneを何気なく見ていたら見慣れない通知があった。

〈COVID-19接触のログ記録: 今週このデバイスで1件の接触の可能性が特定され、“接触確認アプリ”と共有されました。〉

「接触の可能性」という表現に引っかかりを感じたのでCOCOAアプリを起動したが、「陽性者との接触は確認されませんでした」とある。バグかなと思って念のためiPhoneの通知センターをさかのぼった。すると、一昨日(金曜日)の深夜0:09のタイムスタンプでCOCOAから「COVID-19にさらされた可能性があります」という通知が来ていたではないか!

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https://diamond.jp/articles/-/246083?page=2


 自宅内ではあったが慌ててマスクをつけてスクリーンショットを撮り自室に籠もった。

 ENAPIはOSレベルで接触通知の動作状況を管理しており、iPhoneであれば「設定」アプリから前述のID照合プロセスの実行履歴を確認することができる。

 一昨日の動作履歴を見ると確かに「一致したID:1件」の表示があり、接触の可能性が疑われる状態だ。

 もっとも接触の通知を知るのに2日かかってしまったのは大きな課題だ。筆者は深夜のプッシュ通知を避けるため、夜間になると自動的に「おやすみモード」になる設定をしていた。そのため深夜0:09に実施された通知は後回しにされ、大量の通知センターの履歴に埋もれてしまったのだ。接触通知は極めて重要な通知であるため、最上段に出てくるようにするとか(緊急速報のように)おやすみモードを無視してプッシュ通知をするなどの一定の配慮があるべきではないだろうか。


接触通知を受けたら
どうすればよいのか?

 本来であればCOCOAアプリが次のアクションを提示するのだが、今回はOSの通知でしか確認できない。そこで厚生労働省のサイトを確認したところ「プッシュ通知があったがアプリでは接触が確認されてないと表示された場合はメールで問い合わせよ」との案内が掲載されていた。この指示に従い、メールで厚生労働省の窓口に問い合わせをした。



厚生労働省のサイトに掲載されたFAQでは「プッシュ通知があってもアプリでは接触が確認されないと表示された場合は問い合わせる」よう記載がある。(厚生労働省 接触確認アプリ利用者向けQ&Aより) 拡大画像表示

 なお、アプリ上ではこの告知が掲載されておらず、前述の厚生労働省のサイトへのリンクもない。筆者はGoogleで検索してたどり着いたページで案内を確認することになった。本来であればアプリの見やすい場所に告知を掲載すべきであろう。

 メールで問い合わせたところ、しばらくして返信があり「陽性者との接触の可能性があったものと考えて行動してください」との連絡があった。症状など気になることがあれば電話(フリーダイヤル) してほしいと掲載されていた。具体的にどう過ごせばいいか、検査は受けられるかなどを聞こうと思ったが、この窓口は日中時間帯しか開設しておらず、メールを受け取った時点では営業時間外だった。3連休であったため保健所やかかりつけの病院も開いていない。漠然とした不安を抱えつつ他者との接触を極力控え、寝食も家族と離れて行う生活を始めることにした。

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https://diamond.jp/articles/-/246083?page=3



接触通知が来ても
PCR検査は受けられない?

 翌日、案内されたフリーダイヤルに電話をかけた。回線が足りてないのかつながりが悪く、30回ほど電話をかけ直してつなぐことができた(折り返しの連絡を依頼するWebフォームがあればよいと思った)。結論から言うと、PCR検査をするかどうかは地域の保健所が決めているので住んでいる場所、あるいは濃厚接触の疑われる場所の帰国者・接触者相談センターに問い合わせてほしいとのことだった。この日は祝日であるため、地元の保健所が開くまでさらに1日待つことになった。



山梨県ではCOCOAアプリで接触通知を受け取った人は全員公費でPCR検査を受けることができる(山梨県作成の広報チラシより) 拡大画像表示

 さらに翌日、居住地の保健所に電話をした。こちらも幾度もかけ直した後につなぐことができた。当地の保健所では「具体的に感染者と濃厚接触したという思い当たりがあれば公費でPCR検査を受けられますが、単に通知が来たというだけでは検査は受けられません」という回答だった。アプリによる濃厚接触の通知は何のためなのかと聞いたが「アプリの通知は診断に関係ないので、自覚症状があったらまた連絡をしてください」と返されてしまった。何のための接触通知システムなのだろうか……。

 厚生労働省の窓口の案内にもあったが、PCR検査を受けられるか基準は地域によって異なる。例えば山梨県や熊本市ではCOCOAから接触通知を受けた人は全員PCR検査を受けられる。地方分権の考え方で地域ごとに運用が異なるという話で、たまたま住んでいた場所が悪かったというだけなのだろう。筆者は公費でPCR検査を受けることは諦めた。

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https://diamond.jp/articles/-/246083?page=4


自費で受けてわかった
PCR検査の流れ


ドライブスルー方式で実施されているPCR検査を受ける筆者。痛みはそれほどではないが、採取棒が咽頭まで届くことで涙が出てしまう

 幸運なことに、筆者の家から車で10分ほどの距離にある病院はPCR検査を実施していることが判明した。自費で受ける場合は3万円。安い金額ではないが幼い息子と高齢の義母が同居していることもあり受診を決意した。早速病院に電話し、翌日の受診を予約した。

 検査当日は検査会場まで車で向かう。いわゆる「ドライブスルー方式」の検査スタイルで、指定された場所に向かうと全身防護服の医療スタッフが現れ検体の採取を行う。



自主隔離の間は飛沫感染のリスクを低減するため、寝食を家族と別にしている。心のこもった食事を毎食用意し届けてくれる家族がいることに頭が上がらない

 検査会場での受付から検体採取を終えるまで5分もかからず、すべて車に乗ったままで完了した。行政の電話窓口でPCR検査を受けられるかどうかを相談する時間よりはるかに短い所要時間だった。

 翌日の午前には病院から結果報告の電話があった。結果は陰性であり、現時点で新型コロナウイルスは検出されなかった。一安心だがPCR検査は陽性であることを発見するためのものであって陰性であることを保証するものではない。接触通知を受けた日から起算して14日間は自主隔離を続けていくことになる。

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https://diamond.jp/articles/-/246083?page=5

COCOAアプリの普及と実効性を高めるには
経験者の知見が必要

 もともと筆者は中国のインターネットサービスの研究が専門分野であり、COCOAについては中国の感染トラッキングアプリとの対比を中心に研究してきたところであり、通信規格やソースコードのレベルで理解をしていた。今回、不幸にも(?)COCOAの接触通知を受け取ったことにより、アプリで感染通知を受け取った先のフローを含めて知ることができ、課題をより明確にできた。



筆者が実施したTwitter上での簡易アンケートの様子。COCOAを「まだ入れてない」「入れたくない」と回答した人が3割を超えている。 拡大画像表示

 まず、アプリの導入にあたってはよりシンプルかつメッセージ性の高い広報活動と、ターゲットに応じたマーケティング戦略が必要であろう。筆者が8月4日にTwitterで行った簡易アンケートでは「アプリをまだ入れてない、入れたくない」と答えた人が3割以上にも上った。筆者のフォロワーは技術トレンドに関心が高い層が多いと思われるが、その偏りをもってしても導入のハードルが高い。

 行政による導入促進は全国民に広く告知するスタイルをとっており、年代や業種、趣味や関心にあわせた広報の最適化・細分化がとられていない。また行政単独での導入促進には限界があり、CMなどのメディアだけでなく他業種とのタイアップ(例えばCOCOAをインストールした人にゲーム内で特典を付与するなど)も行われていない。こうしたインストール促進の知見はソーシャルゲームやメディアアプリなど大量のユーザを獲得するための施策を専門に行ってきた経験者は日本にも数多くおりノウハウが蓄積されている。

 また「接触が検知された」ことより先のフローについても改善が必要だ。

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https://diamond.jp/articles/-/246083?page=6


 ITサービスには不都合がつきものであるが、不都合に遭遇したユーザとのコミュニケーションもまたスマートフォンアプリ業界では数多くのツールを組み合わせて対処している。例えばZendeskのようにメール、チャット、FAQを組み合わせて利用者に適切なサポートを提供するツールは多くのWebサービス大手が導入しており、低コスト・短期間でサポートの品質を上げることができる。今後の感染拡大に備え、電話以外のサポートチャネルの強化はセルフサービスの拡充を含めて急務であろう。

 検査をスムーズに受けられる仕組みも強化すべきであろう。アプリから通知を受けた人は今までのクラスタ追跡では見つけられなかった人であり、通知を受けた人が検査の対象となるよう各自治体での積極的な検討をお願いしたい。
中国最大のEC「タオバオ」ではPCR検査のデジタルチケットを購入することができる。抗体検査とセットで申し込むことも可能だ 拡大画像表示

 そして今回いちばん驚いたのは、自費でのPCR検査がとてもスムーズであったことだ。PCR検査に保険を適用し公費を支出する以上、公平性の観点から様々な制約が課されることは致し方ないと思う。自費であればそうした制約がないので、これを拡充するのも一つの手ではないだろうか。





 中国の大手EC「タオバオ」ではPCR検査のデジタルチケットを購入することができる。誰でも購入でき、アプリから最寄りの会場と時間を指定するだけですぐに受診することができる。全額自費であるがわずか145元(2200円)で受けられる。行政の対応に頼らない民間での取組として注目されている。

 アプリやWebサービスの運用は専門的であり、山積するCOCOAの課題を行政だけで解決することは困難だと考える。官民の枠を超えて協力し合うことによりCOCOAの実効性を高めていくべきだ。

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